※学パロ注意
放課後、家庭科室から漂う香ばしい香りに誘われるように家庭科室へ向かう。
外から窓を開けて室内を覗けば、エプロンを身に着けた彼が迎えてくれる。
「今日も焼いてくれるなんてそんなにボクに会いたかったんだ?」
「……悪いかよ」
「ううん、全然!で、今日は何作ってくれたのー?」
窓から家庭科室に入り、今日はどんなパンを作ってくれたのだろうかと問いかける。
返事と言わんばかりに押し付けられたマーボーカレーパンを咥えたまま適当な椅子に座って一口。
「美味いか?」って聞きたそうにしているセネルの視線を気にせずに、ふと思っていた事を告げる。
「そんなにボクに会いたいならメールとか電話とかすればいいのに」
「お前を呼ぶならここでパン焼いてる方が確実にくるだろ」
「そんなコト言ってホントは恥ずかしくてメールとか出来ないんでしょ」
「なっ……そんな事はっ」
「ないんだ?」
「……ある、かもな」
「顔赤くして可愛いー。――ご馳走様。ボクそろそろ行くヨ」
茶化しながらも食べ終えて、さぁ帰ろうと来た時と同じように窓から出ようとした瞬間背中に感じる重力。
「セネル、抱きつかれたらボク帰れないんですけど」
「もう少し、居てくれたっていいだろ」
「だーめ、ボクだって色々あるんだもん。あ、でも――」
セネルがちゃーんとボクに会いたいって言えたら考えてあげる。
そう言って狼狽えた隙に腕から抜け出して窓から外に出る。
家庭科室から少し離れた後聞こえてきた叫び声に小さく笑った。
END
あとがき
白銀に魅せられて様に提出します。
学パロでマオセネを目指したんですが誰この子状態ですみません。